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リアルエレファント・コレクティブのフィールド訪問記

事業レポート

リアルエレファント・コレクティブのフィールド訪問記

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7月末、猛暑の東京から、インド南部のIT都市バンガロールを経由して、さらに南にあるニルギリを訪問しました。

ニルギリは、ダージリン、アッサムと並ぶ紅茶の名産地。そして、私たちが今最も注目する、インドのスタートアップの一つ、リアルエレファント・コレクティブの活動地です。

リアルエレファント・コレクティブと私たちの出会いは、2024年初めに実施したビジネスコンペティション、第5回CSIチャレンジ。世界23カ国、64社の参加企業の中で、ひときわ異彩を放っていたのがこの会社でした。

リアルエレファント・コレクティブは、2016年にインド、タミルナドゥ州、ニルギリで創業した会社です。事業の柱は、ランタナという植物を使った実物大の象のオブジェの製作、販売を通した森林保全。それがどうやってビジネスになるの?と思いきや、びっくり仰天。彼らはこれまでに、イギリス、アメリカに、この大きな象のオブジェを100頭単位で届けているのです。その驚きの現場をレポートしたいと思います。

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リアルエレファント・コレクティブの創業メンバーは、ニルギリで生まれ育った幼なじみ同士。それぞれ、故郷を離れて別の仕事をしていましたが、故郷の自然が、開発プロジェクトや侵略的外来種の影響で破壊され、森林が減少していくのを見て、これをなんとかしたい、という願いからプロジェクトがスタートしました。


彼らは、地元の森林局と協力して象の生態調査、森林の調査を行いながら、象のオブジェを製作しています。製作に携わっているのは、この土地に昔から住んでいる先住民族の人たち。メインオフィスの横にある大きな工房と、村々にある小さな工房、合わせて150人程の人たちが働いています。先住民族の人たちにとって象はとても身近な存在で、象も人のように一頭一頭顔も形も違い、個性があることを知っています。だから、オブジェは、まるで本物の象ように、一頭一頭が異なるポーズ、個性を持っていて、見る人を魅了するのです。

このプロジェクトを通して、リアルエレファント・コレクティブは、先住民族の人たちが持つ、自然と共存するあり方を世界に伝えていこうとしています。野生動物が里にきて、田畑を荒らす、人に危害を加える、といったいわゆる獣害は日本でも問題となっています。こうした世界で共通する課題にどのように取り組んでいけばいいのか。リアルエレファント・コレクティブの事業から、学んでいきたいと思います。(つづく)

リアルエレファント・コレクティブの活動は、下記の公式サイトでご覧いただけます。
▼動画チャンネル
https://www.youtube.com/@therealelephantcollective4398
▼ホームページ
https://www.therealelephant.com

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