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科学で自然を維持する。CSI5ファイナリストの”生物多様性”に対する取り組み

事業レポート

科学で自然を維持する。CSI5ファイナリストの”生物多様性”に対する取り組み

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2024年5月に開催されたCSIチャレンジ5。今回はそのファイナリストの企業であるサンリット・シードリングス株式会社がどのように生物多様性という課題に取り組んでいるかをご紹介します。

科学技術による課題解決

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サンリット・シードリングスは2020年に誕生した日本の会社です。
理学の博士号を持つ創業者の東樹さんや、同じく理学博士号と工学修士号をもつ代表取締役の石川さんなど、様々なスペシャリストが携わっています。
そんなサンリット・シードリングスが着目するのは地球温暖化と生物多様性。専門知識を多く持つメンバーが集まっているからこそできる、科学技術による課題解決をご紹介します。

生態学×ゲノム科学×ネットワーク科学

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サンリット・シードリングスが用いるのは3つの学術領域、生態学・ゲノム科学・ネットワーク科学です。
生態学では野外調査によって地球上の生物多様性と生態系を俯瞰、ゲノム科学で生物機能をDNA情報から読み解き、ネットワーク科学を活用してビッグデータを基に自然の構造を解き明かします。
生物同士の関わり合いに着目し、生物種どうしの複雑な関係性をデータベース化。肥料利用効率の高い農地をつくる、劣化した自然生態系の再生、創薬リソースの探索など活用の幅は非常に広く、生物多様性の機能を活かした持続可能な産業への期待が非常に高く持てます。

データ分析と最適化

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具体的に、どのようにこれらの技術が活用されるのでしょうか。
先ず、実地調査を行い微生物のサンプルを取得します。収集したサンプルをDNA解析にかけ、情報を取得。生態学・統計学・微生物学に基づいた解析を行います。
その後収集した大量のデータをネットワーク科学と機会学習(人工知能)によって分析、中核的な役割の「コア生物」を特定します。このコア生物が資源利用効率を向上させる鍵を握っているのです。
最後に、データベースを基に生物資源(人間が有効利用可能な動植物および微生物)を探索します。最適条件下で培養し、持続可能な新技術として活用していきます。

この生物資源を利用して、農薬なしでも効率的に農業ができるようになる可能性があります。
また、土の中の微生物集団を分析することによって、土壌の状態を客観的に評価することが可能になります。この評価に基づいて最小限の肥料・農薬を使用することで、より自然に優しい農業ができるようになるのです。
これらの技術は水中においても有効です。
海や川・湖に生息するプランクトン・魚類のDNAを分析することで水中の状態を把握、生物多様性保全や環境再生の到達度評価を行い、管理・保全上の解決策や改善案が見えてきます。

科学技術によって自然界のネットワークを可視化、バランスのとれた生態系の形成と生息地保全、土地開発を両立させるサンリット・シードリングス。これからの地球が科学技術によってどこまで生物多様性を維持できるのか、注目していきたいです。

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ARUNseedでは他にも様々な社会起業家と協力しながら社会課題の解決に取り組んでいます。過去のCSIチャレンジでは、ジェンダー平等やコロナ禍の途上国支援などをテーマに社会活動家との協力関係を築いてきました。
更なる活動のための寄付や会員を随時募集しています。ご興味のある方はぜひこちらから参加をお願いいたします。https://www.arunseed.jp/join/donation

その他CSIチャレンジ5活動報告はこちら
株式会社サンリット・シードリングスのHPはこちら

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