伝統技術を現代のファッションに。CSI5ファイナリストの”生物多様性”に対する取り組み
2024年5月に開催されたCSIチャレンジ5。今回はそのファイナリストの企業であるAngel Chang LLCがどのように生物多様性という課題に取り組んでいるかをご紹介します。
Angel Chang LLCは2006年にアメリカで設立された企業。コロンビア大学で現代美術修士を取得しファッション業界で25年以上活動してきたAngel chang氏が設立者兼CEOを勤める企業です。
ある日服を着た時にじんましんが出たChang氏は世の殆どの服が化学物質や有毒金属で加工されていることを知り、最も伝統的な方法でつくられた服を着てみることにしたそうです。その時に自然のサイクルの中で生活し大地から直接衣服をつくることを学んだChang氏は、伝統的かつゼロカーボンの衣服で生物多様性という課題に取り組んでいます。
Chang氏が着目したのは中国貴州省の先住民ミャオ族、2000年の歴史をもち今でも伝統工芸品を生業とする少数民族です。
色鮮やかかつ繊細な刺繍や染付が施された伝統衣装は特徴的で、そのほとんどの原材料が自給自足。独自の折り布と染め布はひとりひとりが丹精込めて作成しています。
Chang氏はこの古代の技術を用いて、ゼロカーボンのレディースウェアを提供しているのです。
Chang氏は技術の活用だけでなく、太陽・植物・山の水という三つの素材を使い全工程を手作業で行う、そのため性遺贈家庭で一切電力を使用しないというゼロカーボンでの衣料品製造を実現させました。
また、農村の女性達への雇用創出や、先住民の職人たちへ伝統技術を活かした洋服生産の拡大など、人間の多様性も同時に維持しています。
サステナブルファッションとアルチザンファッションの両方に取り組んでいる数少ない企業の一つでもあり、まさに社会活動家と言えるのではないかと思います。
ARUNseedでは他にも様々な社会起業家と協力しながら社会課題の解決に取り組んでいます。過去のCSIチャレンジでは、ジェンダー平等やコロナ禍の途上国支援などをテーマに社会活動家との協力関係を築いてきました。
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