蜂が農薬を減らす⁉CSI5ファイナリストの”生物多様性”に対する取り組み
2024年5月に開催されたCSIチャレンジ5。今回はそのファイナリストの企業である Agro Agape co,.ltd がどのように生物多様性という課題に取り組んでいるかをご紹介します。
Agro Agapeは2022年に創立されたカンボジアの企業です。創業者であるスレイポフ・タン氏の叔父はコーヒー農家を経営しており、その経験から小規模農家の問題点や持続可能性に欠ける農業方法に疑問を感じていたそうです。
そのため、化学肥料ではなくサステナブルなエコ農法への転換を小規模農家に促進する支援活動を行っています。
ではエコ農法とは具体的になにをするのでしょうか?
その鍵は”ミツバチ”が握っていました。
蜂というのは生存できる環境が限られています。農薬や化学物質による汚染が進んだ場所だと繁殖ができず、死滅してしまいます。
つまり、蜂が生息している農場は科学的に汚染されていないサステナブルな農場だと言えます。
また、植物が種子をつくるには受粉が必用ですが、これを「ポリネーション」とよばれるミツバチの行う花粉交配で行うことにより、より生育不良のない立派な種子ができるとされています。
ミツバチのおかげで農薬などの化学物質を減らしつつ、質の良い農作物ができるようになるのです。
Agro Agapeではこのようにミツバチを使ったエコ農法の普及の他、養蜂による蜂蜜の販売、コーヒー栽培、カシューナッツの栽培に堆肥作りまで農業に関する幅広い活動を行っています。そしてその全てがサステナブルなエコ農法という概念の基の活動なのです。
独自に作成しているCCBF (Compost Carbon Base Fertilizer)と呼ばれる肥料は牛糞やバイオ炭を原料としています。特にこのバイオ炭はAgro Agapeで栽培したコーヒーの廃棄物を熱分解してつくられており、経済的および環境的利益をもたらすものとなっています。
自社での農業以外に、農業者への支援も幅広く行っている会社なのです。
ARUNseedでは他にも様々な社会起業家と協力しながら社会課題の解決に取り組んでいます。過去のCSIチャレンジでは、ジェンダー平等やコロナ禍の途上国支援などをテーマに社会活動家との協力関係を築いてきました。
更なる活動のための寄付や会員を随時募集しています。ご興味のある方はぜひこちらから参加をお願いいたします。https://www.arunseed.jp/join/donation