リアルエレコのビジネス発展の変遷が本に!
ARUNSeedの投資先・リアルエレコのビジネスモデルが本になります。
2025年12月23日販売予約開始の『ビジネスモデル3.0図鑑』にリアルエレコが載ります(ビジネス名はThe Elephant People)。
リアルエレコがどのように社会的インパクトを与えてきたのか、その一端を紹介します。
【図解でわかるビジネスモデル『ビズグラム』】
インパクト投資の受け手となる企業のビジネスモデルは比較的新しいものなのかもしれません。ビジネスは「三方よし」で成り立っていますが、誰がその三方なのか、何を取引しているのかが見えにくくなる場合があります。図解総研が提案する『ビズグラム』は、ときに複雑なビジネスの関係性を図解することで、誰にでも理解できるようにする共通言語です。50社のビジネスの関係性をビズグラム化した『ビジネスモデル3.0図鑑』にARUNSeedの投資先であるリアルエレコのビジネスモデルが載ります。図解総研はすでに『ビジネスモデル2.0図鑑』を発刊していますが、今回発売の3.0は企業成長の鍵となった変化の型に注目して図解しています。ARUNSeedがつなぐリアルエレコと図解総研の打ち合わせを取材しました。

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【リアルエレコの創業者たち】
等身大の象のオブジェを各地で展示したアメリカツアーを終え、大きな評価を得ているリアルエレコですが、創業時から象を制作していたわけではありませんでした。創業当初はランタナで制作したものに市場価値がつくのか試行錯誤の連続でした。ランタナ採取も困難でした。しかし、創業者の4人は、柔軟に粘り強く困難をチャンスに変えてきました。ARUN Seedの投資チームは毎月彼らとの定例ミーティングを行っていますが、その話し合いからは彼らの真摯な人柄と熱心さが伝わってきます。
創業者であるターシュたちの親は、この土地の先住民族の生活を改善し、権利と誇りを取り戻すために、インドの他地域からこの地域へ移住してきた人たちです。つまり、創業者の彼らは先住民族のコミュニティの中で育った第2世代の活動家なのです。リアルエレコの活動を担うのも先住民族の人々です。
【彼らを変えたもの】
リアルエレコの活動拠点は、南インドのニルギリ丘陵の森の中です。ニルギリというのは「青い山」を意味しています。12年に一度咲く青い花が山一面を埋め尽くしたとき山が青く染まって見えることがその由来だといわれています。ニルギリ丘陵は生物多様性に富んだ地域として、ユネスコ生物圏保存地域の指定も受けています。人口密度でいうと長野市や旭川市と同程度の地域に、象150頭が群れをつくりながら人里に近い森で暮らしている場所を想像してください。
そこには、主にハチミツ採取や狩猟を行ってきた人びとと、農耕を中心に山裾で暮らしてきた人びとからなる複数の先住民族グループも生活しています。先住民族には象を世話してきた人の話や、逆に象を追い払う役割を担ってきた人の話などが伝わっています。彼らにとって、そこに存在する生物との関係性は、長い歴史の中で形づくられてきたものなのです。
しかし、1980年代にニルギリが国立公園や保護区に制定されると、先住民族は地域内で収入を得ることができなくなり、都市部やプランテーションで働くようになりました。やがて、ニルギリ丘陵が侵略的外来種で埋め尽くされ、環境劣化が進み、象などの野生動物が里に出てきて人との軋轢を起こすことが深刻化していました。
創業者の4人もリアルエレコの母体であるTREC(The Real Elephant Collective)を創業する以前は、地域外で収入を得ていました。しかし、先住民族の思想Coexistence=共存への希望が彼らの起業を支えたのでしょう。
【彼らが変えたもの】
『ビズグラム』を見ると、彼らが社会の「当たり前」「仕方ない」をどう変えたのかをすっきりと理解できます。詳しくは本を読めばわかるのですが、ひとつだけニュースレター読者にお伝えしましょう。
彼らが変えた常識のひとつは、「保護区からは何も持ち出してはいけない」というルールです。国立公園や保護区からの全ての物の持ち出しを禁止しているのは、インド政府に限ったことではありません。日本でも入会林という概念がありながらも基本的には国有林からの物の持ち出しは禁止されています。しかし、彼らはそのルールを変え、侵略的外来種を彼らの資源として活用し、その駆除に成功しています。
【彼らの今後】
彼らはニルギリ丘陵の動物たちをモデルに木彫りの彫刻を制作しています。原料となる木は、ランタナと同様に繁殖力の強い外来種で、セナというマメ科の木です。その作品群には、ニルギリ丘陵にのみ生息する絶滅危惧種の動物も含まれています。象のオブジェと同様に、一体一体が実在する動物を観察し、先住民アーティストたちの手で彫られたものです。
彼らのインスタグラムを覗いてみてください。私たちは瞬時にニルギリ丘陵の森に誘いこまれます。手に取って遊べる木彫りの動物たちや、動物の描かれた美しいカードなどが、まるで木から生えたキノコのように展示されています。創業者のタリクとスバシュは、自分たちの作品を美術館の陳列棚のように整然と並べるのではなく、「キノコのように展示したい」と語っています。キノコは生態系のメタファーでもあります。栄養状態やさまざまな攪乱が重なり合い、偶然そこに現れたように見えながらも、実際には「あるべくしてそこにある」存在としてのキノコ。そのメタファーの延長線上に、彼ら自身の存在や、動植物とのつながりによって形づくられてきたニルギリ丘陵の美しい自然が重なって見えてきます。

写真:ニルギリの森を表現したセット(リアルエレコ提供資料より)
彼らはアート集団である一方で優秀なコミュニティマネジャーでもあります。投資チームとのミーティングの中で見えてきたのは、彼らは組織をできるだけフラットに保ちたいと考えているということです。リーダー的な存在はいるものの、それは誰かが誰かに一方的に命令する構造ではなく、助け合いの結果として自然に立ち上がってくる役割に近いと言います。ニルギリ丘陵の豊かな自然の中で生きていきたいと願う人びとにとっての創造的な場であり続けるには、ブランドに関わるすべての人たちが安心して働ける空間が必要だと考えているのでしょう。彼らの話しぶりからは、ARUNによる資金提供や伴走支援が、そうした価値観を共有したうえで行われているという信頼が感じられます。
●『ビジネスモデル3.0図鑑』は1月26日発売予定。
12月23日よりnoteで無料公開
note ビジネスモデル3.0図鑑
https://note.com/bizgram/n/n5bde4d5402d1
● 【リアルエレコ創業者の一人タリクさんが来日します】
タリクさんがARUN DOJOのプログラムの一環で来日されます。2026年2月28日(土)にイベントを予定しています。読者のみなさまもぜひ、ご参加いただき、タリクさんに直接お話を聞いてください。
詳細は1月号をお楽しみに!
●インスタグラムで、彼らの思いや働く様子が紹介されています。
インスタグラム
https://www.instagram.com/therealeleco/
● ニュースレターをご購読のみなさまへお願い:彼らの作品を展示・取り扱い可能な情報があれば共有してください。(博物館のお土産コーナーや企業のコーポレートギフトなど
ARUNSeedお問い合わせ
https://www.arunseed.jp/otoiawase