「ARUN DOJO(アルン道場)」ラーニングジャーニーの参加レポート
9月号に掲載した「ARUN DOJO」のラーニングジャーニーに参加した佐藤暁子さんからレポートをいただきましたので、ご紹介いたします。
8月24日から28日、トヨタ財団助成プロジェクト「ARUN DOJO」の活動の一環である「ラーニング・ジャーニー」でインドを訪問しました。
今回は、グダルール(バンガロールから車で約6時間)のリアルエレコ(Realeleco、旧リアルエレファントコレクティブ)を訪問し、そのコミュニティに根付くビジネスモデルや背景にある歴史・人々の思いに触れる機会となりました。
インド、日本、タイ(私です)と、各国から参加者が集まりましたが、バンガロールからミニバンで移動を開始した時点から話題は盛り上がり、あっという間に宿泊地に到着しました。
美味しい空気とカレーを堪能して迎えた初日の朝には、コミュニティを見渡せる小山に登り、自然の中で息づく生活を体感しました。

その後、リアルエレコのオフィスを訪問し、ほとんどの参加者が初めて目にする実物大の象の作品に感嘆しきりでした。これは外来種であるランタナの影響により森の生態系が侵害され、その結果、象が人里へやって来るという課題に対するアプローチの一つです。
翌日には、コミュニティにある学校と病院を訪問し、国の一方的な森林保護政策によって従来の暮らしを奪われた先住民族が、いかに自らの生活を取り戻してきたかという歴史の一端に触れました。

リアルエレコも、あくまでその中心はコミュニティであり、エンパワメントのための手段としてのビジネスです。したがって、売上を伸ばすという表面的な変化ではなく、この活動に関わる人たちがいかに自律的に尊厳をもって毎日を過ごせるか、という中長期的な視点が事業の中核です。
雇用の機会を提供することで、これまでは農園で働いていたコミュニティの女性たちが自宅近くで柔軟な働き方を可能にするなど、ポジティブな影響もある一方、コミュニティ内での経済的格差が生じるといった課題もあります。
それでも、コミュニティの病院に都心から医師がボランティアで訪れたり、都市ではなくコミュニティで仕事を得たいという若者が多いなど、自然と共に暮らすことがアイデンティティとして確立していると感じました。
「社会的インパクト」を具現化しているフィールドを訪れる機会を得て、また、参加者とのディスカッションを通じて、改めて社会に対する「インパクト」を見つめなおす時間となりました。
(ARUN DOJO 運営チーム 佐藤暁子)
*ARUN DOJOはトヨタ財団の助成を受けて実施中です。