日本のインパクト投資規模
前回のコラム記事である世界のインパクト投資の動向に対し、日本のインパクト投資の規模を見てみるといかがでしょうか。
JSIFのレポートによると、2016年の日本のサステナブル投資残高は56兆2,566億円と前年比では約2倍に成長しており、中でも社会的責任投資(SRI)の規模を焦点にすると、今年3月にGlobal Sustainable Investment Review (GSIR) が発表したレポートが日本の急成長を表しています。SRI市場規模は2014年には約70億ドル(約7800億円)でしたが、2年後の2016年には4740億ドル(約5兆円)へと70倍近い規模へと成長しています。
(GSIRレポート参照。単位は10億ドル)
社会的インパクト投資における日本国内諮問委員会によると、日本の社会的インパクト投資の市場規模は2014年には約170億円でしたが、2年後の2016年には337億円へと2倍以上の拡大を遂げています。
(国内諮問委員会2016年報告書参照)
日本では2016年12月に休眠預金等活用法が成立し、年間500億円相当の活用が可能になりました。この成立により社会的課題の解決に向け共助の精神で活動している団体に今後活動資金が分配されていきます。有効的な活用法という観点ではあらゆるセクターにおいて議論が続いていますが、資金動員という観点からすると活用法の成立は日本国内の社会的課題解決にはとても大きく前向きな一歩となりました。ますますお金の流れや使い方、金融包摂に注目が集まっていきますね。