arun seed

開発インパクト債について今知るべき4つのこと

事業レポート

開発インパクト債について今知るべき4つのこと

  • シェアする

  • ポストする

  • LINEで送る

成果報酬型の支援が社会的問題を解決するアプローチとして
年々増加しているのは皆さんも聞いたことがあるかもしれません。

中でも官民連携の資金調達を促す社会インパクト債がありますが、
それと同モデルの国際開発の領域に適用される開発インパクト債
(Development Impact Bonds、以下DIB)が最近、注目を浴び始めています。

その理由は、もちろん、成果報酬がカギということ。

事業実施者による事業の成果基準はドナーが設定し、
ドナー/途上国政府から投資家へ資金繰りされ、
事業の成果レベルに基づいて投資家へのリターン率が決まります。

90c58fe2c8b68d6d1cd9f65bee3f3566-1684409977.png

出典:FASID藤田滋 2014

2013年に英国国際開発省は、世界で最初のDIBモデルとして、
ウガンダのアフリカ睡眠病の有病率低下にむけ活動を開始しました。
また翌年2014年には、UBS Optimus財団、Children’s Investment Fund Foundation,
Education Girls,そして中間組織のInstiglioが連携し、
インドのラジャスタンの教育分野に投資し、ジェンダーギャップに努めるそうです。

さて、そんなDIBへの注目が世界各国から集まっているので、
今日はDIBの特徴について知っておくべきこと4つを簡潔にまとめてみました。

1.「国際開発の課題解決」から「投資可能な好機(Opportunity)」へ

成果報酬がカギですから、成果が基準に満たされない限り、
リターンは投資家へ払われることはありません。
金銭的リスクをドナーから投資家へ移すのです。
より安いコストで効率的に、高い援助効果が見込めることが従来の
「国際開発の課題解決」という視点から「成果報酬が約束される投資事業」へと変化させる構造です。

2.結果志向・成功報酬型

投資家にはいつでも透明性が重要です。
仲介団体が継続的なモニタリング・パフォーマンス管理を行い、
インセンティブを投資家・事業実施側に与えることで、
DIBの進捗状況や外部条件の発生状況に応じた迅速、適切な計画変更が期待できます。
それによって、事業全体の成功・効果・インパクトを高めることもできます。

3.「革命促進剤」

従来の国際開発メカニズムでは資金協力によるあらゆる条件などがあり、
その決まった条件にそった事業実施が多かったのですが、
DIBモデルでは最終結果・インパクトに焦点を起き、民間セクターと連携し、
成果達成のための手段を投資家・事業実施側に決めさせることで、
新たな手法を創出する切っ掛けにもなるため、「革命促進剤」にもなり得るのです。

4.国際開発における新たな資金調達方法

開発援助の資金、特に政府によるODA資金は年々世界的に低下傾向にありますが、
以上3つの点を踏まえて、より効率的な、効果の高いDIBのようなメカニズムは、
まさに従来の国際開発分野にとっては、希望の星になりえる革命的アプローチなのです。

ARUN は日本における社会的投資機関のさきがけとして、
カンボジア・インドの社会的企業への投資活動を実践するとともに、
社会的投資の国際シンポジウムを主催し、アジア・欧米など、
グローバルな社会的投資機関と連携しつつ活動しています。
DIBモデルの案件がこれから更に増えることによって、
社会的投資プラットフォーム構築と国際開発における貢献が広がり、
ARUNの目指す「地球上のどこに生まれた人もひとりひとりの才能を発揮できる社会」への
更なる前進となると信じています。

次回は社会的投資の様々な事例を紹介していきます。お楽しみに!

参考文献:
1. Center for Global Development, 2013 Investing in Social Outcomes: Development Impact Bonds
http://www.cgdev.org/sites/default/files/investing-in-social-outcomes-development-impact-bonds.pdf
2. Conscious Company Magazine, 2015
http://www.consciouscompanymagazine.com/blogs/press/18338685-innovating-with-development-impact-bonds 
3. Department for International Development UK, 2013 Social Impact Bond Pilot – Sleeping Sickness in Uganda
http://devtracker.dfid.gov.uk/projects/GB-1-203604/ 
4. FASID 藤田滋, 2014 
https://www.fasid.or.jp/_files/activities/BBL207_Part2_PPT_DIB_140704.pdf 
5. Perakis, Rita 2014 First Impact Development Bond is Launched
http://www.cgdev.org/blog/first-development-impact-bond-launched
6. Social Finance, 2015 What is Pay for Success Financing?
http://www.socialfinanceus.org/social-impact-financing/social-impact-bonds/what-social-impact-bond 

ARUN Seedの活動や開催予定のイベント情報を発信しています。皆さまからのフォローをお待ちしております。

H3レギュレーション

ARUN Seedの活動や開催予定のイベント情報を発信しています。皆さまからのフォローをお待ちしております。

  • シェアする

  • ポストする

  • LINEで送る

最新情報一覧